再び弁天洞窟

「月の森に、カミよ眠れ」上橋菜穂子著
偕成社から1991年に出版された本の再販を小学校の図書館で見つけました。お話は蛇ガミと娘の婚姻伝説が元になっていますが、著者のあとがきを読んで稲城の弁天洞窟ももしやと・・・
蛇
稲城の里山に棲む蛇。写真提供:Footprints on the blue ridge hills 
上橋菜穂子氏はその伝説の残る九州の祖母山の麓の大蛇(おろち)が宿っていたという洞窟を訪ねたそうですが、恐ろしくて中へ入れずに、水音の鳴り響く闇の中でふるえていたそうです。


あの闇の恐ろしさは理屈ではないと書かれていました。
弁天洞窟の闇と壁に描かれた大蛇の姿に20数年前出会ったとき感じたのもまさにそれです。
『あのおそれにこそ、西欧的な光と闇の対立ではない、闇の中にホタル火にカミを見た、わたしたちの祖先たちの心のふるえがあるのではないかと思われました。』ともあとがきに書かれていました。
月の森に宿る蛇ガミと契りを結び、カミと村の民との絆となって生きようとする娘。
しかし新しい世代は、生きるために稲作を選択し、今までカミの領域として立ち入ることのなかった「かなめの沼」に手を着けようとする。
蛇ガミは討たれその森は変わっていく。
自然の掟-カミの掟そして人の営み。
娘の昔語りの中で物語は語られる。
弁天洞窟へ入って闇の深さと壁の大蛇に怯えた方は、ぜひ読んでみてくださいね。
「月の森に、カミよ眠れ」
上橋菜穂子 著 篠崎正喜 絵 偕成社文庫3243 2000年刊
1991年刊初版 金成泰三 絵は、友人が持っているとのことでさっそく借りることに。
「Tayata 月の森に、カミよ眠れ」 劇団潮流 お芝居も見てみたい。
アーティスト白井弓子さんの「Tayata 月の森にカミよ眠れ」初演観劇録
上橋菜穂子氏 著作。読み始めたら止まらない。
「精霊の木」
「精霊の守り人」
「闇の守り人」
「夢の守り人」
「虚空の旅人」
「神の守り人」《来訪編》
「神の守り人」《帰還編》
「狐笛のかなた」
「蒼路の旅人」
「隣のアボリジニ」

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください